更新 2022/09/01
Googleに記録されてる、個人の検索履歴と個人情報の人格要素
脅かすわけではないですが、あなたの検索する興味、嗜好、思考、あるいは仕事上の機密につながる調査のキーワードまで、全部の検索語はGoogle検索エンジンに記録されています。
日々行う検索語からあなたの存在が特定され蓄積され続けているからです。
それを可能にしているのが、Googleログインです。
Chromeではログインせずとも検索できますが、同じPC内のGmailがログインされていれば、その検索語のアカウントは筒抜けです。まさかGmailとChromeの両方でわざわざログアウトして検索する人など、ほとんどいないでしょうから。
「えっ?まさか、Googleアカウント分散してるから大丈夫」なんて軽く思ってませんよね?同じIPアドレスなら連携記録されています。敵はその道の達人です。いかに「あなた」を特定するかにあらゆる手を使ってます。特に年齢性別の特定に力を入れているでしょう。いわば沈黙のストーカー的な…
その証拠がパーソナライズエンジンです。例えばブラウザの脇に、あなたの居住地のレストランやお店が表示されていますよね?それが検索エンジンにあなたの居住地が特定されている証の一つです。
もう一つ、Googleログインして保存されている個人情報はこんなに多くの項目です。これはエクスポート機能でダウンロードしたデータで、1個のGoogleアカウントごとに保存されている項目の一覧です。
エクスポートの詳細は「GAFAMAからの脱出」(5)Gmailにはバックアップ用のエクスポート機能があります。
これを書いている今は、もうすっかりChromeから脱出後なので、Chromeを使いづづけていた以前の自分に「よく疑いもせず」と、気持ち悪くなるくらいです。
でも気持ち悪さにめげずに、「脱出」のためにどんなブラウザと検索エンジンを選んだのか続けます。
世界標準になったブラウザChromeとSafariの問題点
GoogleのChromeと、AppleのSafariで世界的シェアの8割越え
2021年3月現在StatCounterのブラウザの世界的シェアが発表されました。
上は世界シェアですが、国内でも両方で77.2%。国内は例によってMicrosoftのEdgeとIEがまだ5%ほど世界よりは高いですが、MSがIEのサポート終了を発表したので、国内シェアも世界標準に徐々に近づいていくでしょう。
つまりChromeとSafariで8割越え、GoogleとAppleに完全に制覇されているブラウザの現況なのです。
私もGAFAMAからの脱出を試みる前まで、Chromeのヘビーユーザーでした。それにはもちろん理由があります。
- 一番の理由は「軽い」からです。一瞬で起動し終了してくれる軽快感につきます。
- 次の理由は全てのデバイス対応があるからです。気に入ったブラウザだけをスマホでもiPadでもMacでもWindowsでも使いたいからです。
ブラウザと検索エンジンは別モノと知っていますか?
そもそもブラウザと検索エンジンのシステムはまったく別モノです。
例えばChromeの検索エンジンはGoogleです。2011年からYahooの検索エンジンもGoogleになりました。Safariの検索エンジンは以前は選択可能だったのですが、そのままSafariを使っている人がほとんどでしょう。
私も脱出前までブラウザと検索エンジンが別モノと知ってはいましたが、特段気にもならず、一体化していて何ら不思議にも感じていませんでした。多くの方が疑問もなく使用してますね。YahooさえもGoogleのエンジンを使う時代になったのですから…
しかしブラウザや検索エンジンが「無料」で使えるのには、それなりの仕組みが存在します。
それが「ログイン」で記録される検索語の蓄積です。
ログインしないと「あなた」を特定できずデータに価値が生じません。そう思うと「Safariにログインないじゃん!」と思ってませんか?いえいえ、そもそもMacにはあらゆるデバイスで「AppleID」という天下の宝刀が存在します。静かにAppleIDが稼働してるのです。
WindowsPCでも起動事にユーザーを選択してPIN(暗証番号)を要求するようになったのは、パスワード忘れても使えるようにとか、ユーザーセキュリティのためとかが本当の目的ではなく、Microsoftが「あなた」を特定し、Edgeで検索語を記録するためと私は解釈してます。
ですから、ブラウザのみならず検索エンジンについてもユーザー側のセキュリティ、「あなたを特定して検索語を記録しない」検索エンジンを使用した方がいいわけです。もちろんブラウザの検索エンジンをそのまま使用もできます。私は脱出後にある理想的なブラウザのホームページに、これも世界一セキュリティにうるさいオランダの検索エンジンを設定して、ブラウザと検索エンジンを別々の会社二本立てでリンク分散を測ってます。これで少しはまだ秘密にしておきたい仕事上の調査なども記録される不安はなくなりました。
それでは一体どんなブラウザと検索エンジンを選んだのか、これから説明していきます。
ユーザーセキュリティに厳しいブラウザを見つける事ができるのか?
上にブラウザの条件として2つ「軽い」と「あらゆるデバイス対応がある」と言いましたが、もう1つ重要な条件があります。それが「誰がこの検索をしているのか」を、特定したり記録したりしないブラウザ、ユーザーセキュリティが行き届いたブラウザを探すというミッションです。
全部で3つの条件に合格するブラウザを探す!
- 一番目は「軽い」。一瞬で起動し終了できるユーザーが自由自在に操れる軽快感のあるブラウザである事。
- 次は全てのデバイス対応がある事。気に入ればスマホでもiPadでもMacでもWindowsでも使える。
- 最後の条件が、ユーザーにとってのセキュリティ管理がしっかりしたブラウザである事。
探し初めて数日、こんなブラウザを試しました。
ブラウザ名 | 普及度 | 軽さ | デバイス | Userセキュリティ | |
---|---|---|---|---|---|
1 | Firefox 通常版 | ○ | ✖️ | ○ | ○ |
2 | Firefox Developer Edition | ○ | ✖️ | ○ | ○ |
3 メインNG | Vivaldi | △ | △ | △ | ✖️ |
4 旧Mac用 | Seamonkey | ✖️ | △ | ✖️ | △ |
5 | Camino | ✖️ | △ | ✖️ | ✖️ |
6 | Dissenter | △ | ◎ | △ | ○ |
7 | Brave | ○ | △ | ○ | ✖️ |
この表の評価は主観です。旧OSのMac用ブラウザとして、SeamonkeyやEpicも調査しました。VivaldiとBraveは数日使ってみましたが、ごちゃごちゃしてる感じで、ユーザーセキュリティも信頼がおけない気がして私は不合格としました。
結局この中で、Dissenterが平均的に及第点で使ってみる事にしました。Firefox通常版とFirefox Developer Editionは重いからメインには使えないけど、レアなブラウザばかりの中で普及度の格段の高さに、非常時のサブブラウザとして使う事にしました。あとこの表にはないですがいろいろと都合のいいOperaを今のところ残しています。
代替ブラウザを選び、使用開始から半年が経過した今の状況は?
上のようなブラウザの調査、選定が2021年1月の末だったので、それからもう半年近く過ぎました。この半年のブラウザと検索エンジンの使用感について結論を言うと、私はDissenter Browserを気にいり、もうDissenterなしでは暮らせないほど使いこんでます。
さらにブラウザと検索エンジンの使い方にこんな工夫をしてます
思い返すと今年1月の使用開始時Dissenterにそこまでの信頼がなく、最初はメインブラウザとして使えるのかどうか心配でした。しかし半年後もメインの座を堂々と守ってます。とにかく軽快に動いてくれストレスをまったく感じさせず、「ユーザーを主役にしてくれる」すばらしいブラウザを見つけたと感じるからです。
- Dissenter BrowserはスマホやiPad用のアプリが配布されていないため、PCだけ4台でフル活用している。
- スマホとiPadでは今のところ「Aloha」を試用中。軽くていい。スマホやiPadではシビアな検索はしない。
- 検索エンジンは「Startpage」というオランダのユーザーセキュリティ命のような検索エンジンを使っている。つまりDissenterのホームページにはStartpageを登録して検索するという二重のリスク分散を行っている。
※ Startpageの解説より
オランダの検索エンジンです。2006年に設立され今でも世界で最もプライベートな検索エンジンです。Startpageは世界中の人々のプライバシーの権利に対する認識を高め保護する事を使命として存在しています。 Startpageは、プライバシーを重視し、アルゴリズムや広告によって操作されることを拒否する人々を支援しています。オンライン上のプライバシーは心の平和と心の力を持ちます。 最も正確な検索結果を提供し、検索エンジンによってプロファイルされたり追跡されたりすることはありません。 Startpageで実行される検索は、独自の個人データ保護技術によって処理されます。さらに、Startpage は、GDPR を含む厳しいオランダおよび EU のプライバシー法 (おそらく世界で最も厳しい法律) ですべての人を保護します。
このブラウザと検索エンジンの脱出で、今はあの沈黙のストーカーと別れただけでも、気分爽快です。
もう二度と検索語を記録され続ける生活には戻りたくないというのが正直な気持ちです。
追記:この記事以降に脱出ブラウザについては動きがあったので追記しました。
※ GAFAMAからの脱出ブラウザについての新しい参考記事
(3)-2 GAFAMAからの脱出 ブラウザ編追記 (3)-2 Torブラウザ
(3)-3 GAFAMAからの脱出 2022年ブラウザはこれに決めました!おすすめ理由
まとめ: 下の表に「GAFAMAからの脱出」(1)〜(8)の内容をまとめました。
(1)(2)は導入、(3)からが「GAFAMAからの脱出」の具体的方法です。全記事を公開にしました。
GAFAMAからの脱出 導入動機編 | (1)1人でこっそり初めました | 公開 |
GAFAMAからの脱出 導入条件編 | (2)GAFAMAからインターネット空間のユーザー主導権をとり戻したい | 公開 |
GAFAMAからの脱出 ブラウザ編 | (3)ブラウザChromeからの脱出_検索語から自分自身が丸裸で売られている! | 公開 |
(3)-2 ブラウザ編追記 GAFAMAからの脱出 Torブラウザ | 公開 | |
(3)-3 2022年ブラウザはこれに決めました!おすすめ理由 | 公開 | |
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