デザイナーから質問「MariaDBって何ですか?」

更新 2021/10/06

オープンソースのリレーショナルデータベースで長年wordpressのデータベースとして利用されて来たMySQLは、MySQL5.6が2021年2月で追加料金サポート期間も終了し、5.7や8.0の検討がされています。

AWSもMySQL5.5の廃止期限を来年2月とし、コミュニティではすでに2018年12月にサポートを終了しました。

Webデザイナーが初めて知る「MariaDB」という名前

データベース: Database(DB)が私達Webデザイナーにも重要な理由は、もちそんDBがWebサイトを構築する上で重要だからで、全てのWordpressサイトで、サイトデータの半分はこのDBが担っているからです。
それはwordpressに限らず、多くの動的Webサイトで使われています。

そのDBはMySQLのアプリで管理されて来たのに、MySQLメジャーバージョンが終了していく状況下のため、
「さて次は?」と、利用可能なアップグレードパスがあちこちで検討されています。
その実行可能な代替手段として注目されて来たのが、MariaDBです。
MySQLの機能、互換性、動作をカバーしているので、移行の障壁が低いからというのが理由です。

Webデザイナーが初めて見かけるMariaDBはここ

MySQLが終了していく状況下で「さて次は?」その実行可能な代替手段として注目されているのがこのMariaDBです

このサイトヘルスはwordpressのダッシュボートに表示されている、いわばwordpressのシステム健康診断。
wordpressのバージョン5.1から搭載されていて、保守のための警告が載ります。上の「古いデータベースサーバー」欄に「MariaDB」と表記されるので、「これって何?」となるわけです。

そもそもwordpressの公式システム要件とは

「WordPress を実行するには、以下のホスティング環境を推奨します。
PHP バージョン 7.4 以上。MySQL バージョン 5.6 以上、または MariaDB バージョン 10.1 以上。HTTPS 対応」公式にもすでにMariaDBが載ってるわけです。

MariaDBって何ですか? MySQLと違いますか?

MariaDBは人気のあるDBサーバーの1つで、オープンソースとして開発され、リレーショナルDBとしてデータにアクセスするためのSQLインターフェイスを提供。MySQLの開発者により、元はMySQLの拡張ドロップイン代替として設計され、多用途で使用されています。
MariaDB Foundation(MariaDB財団)は、米国デラウェア州に設立された非営利団体で、企業や個人の寄付により運営されています。ガバナンスについてはここ

MySQLが終了していく状況下で「さて次は?」その実行可能な代替手段として注目されているのがこのMariaDBです

MariaDB Foundation中国で2回開催

深圳での2017年と上海での2019年、MariaDBはDevelopersUnconferenceを開催しました。あらゆるトピックについての話合い、コラボする機会、MariaDBオープンソースプロジェクトへの貢献など、コア開発者以外でも参加できました。

FOSDEM オープンソース開発者の世界会議

それ以来、ベルギーブリュッセルで2000年から行われたオープンソースソフトウェア開発者のための会議FOSDEMは、今では5000人以上をホストしています。MariaDBは、このFOSDEMに独自のRoomを持ち活動しています。
FOSDEMは、コミュニティがコミュニティのために主催する無料の非営利イベントで、目標は、無料のオープンソースソフトウェア開発者とコミュニティに以下に会う場所を提供することです。
・ 他の開発者やプロジェクトと連絡を取る。
・ フリーソフトウェアの世界における最新の開発について知らされる。
・ オープンソースの世界における最新の開発について知らされる。
・ プロジェクトリーダーやコミッターによる様々な議題に関する興味深い講演やプレゼンに参加します。
・ フリーソフトウェアとオープンソースソリューションの開発と利点を促進するため。

MariaDBの一般リリースのメインテナンス期限

MySQLが終了していく状況下で「さて次は?」その実行可能な代替手段として注目されているのがこのMariaDBです

2020年時で、MariaDB 10.5.8、10.4.17、10.3.27、10.2.36が利用可能です。

シンガポール開発銀行でのMariaDB使用事例

東南アジア最大の銀行、シンガポール開発銀行(DBS)が、そもそもなぜオープンソーステクノロジーへの移行に挑戦したのかについては理由がありました。
シンガポール開発銀行(DBS)は毎月300万件近くの金融取引を処理し、総資産は約3,330億ドルで、9年連続でアジアで最も安全な銀行に選ばれました。DBSの幹部はテクノロジースタックの継続的な簡素化を目標とするイノベーションにより、ビジネスを前進させようとしたのです。
・ オープンソーステクノロジー
・ 費用対効果
・ 柔軟性とスケーラビリティ
・ 厳格な金融サービス規制の遵守
数年前からこれらの重要な要件が、従来のクローズドソースの独自のデータベースソリューションの使用と競合するようになったため、これらの追求を満たす代替案を探し始めていたのでした。

シンガポール開発銀行(DBS)テストからクリティカルな展開へ

DBS銀行は最初にMariaDBでオープンソースへの取り組みを初めた時は、保守的なアプローチで単体の重要ではないアプリケーションをテストしました。まずそれが成功し、銀行の主要支払モジュールを含む3つの追加アプリをテストしたのです。それらも成功したのです。
それからMariaDBの移行は急速に進み、2年後DBSは、企業の銀行サービス向けの最も複雑なアプリケーションのいくつかを含め、30を超えるアプリケーションをMariaDBで実行しています。その商用銀行業務と統合決済エンジンは、2017年8月にMariaDBで稼働しました。これは、最初の2つのミッションクリティカルなアプリです。

出典:https://mariadb.com/resources/customer-stories/dbs/

ついにMariaDBが身近になる日がやってきました!

サイトヘルスで「MariaDB」をダッシュボードで見かけてからも、私は慣れ親しんだMySQLしか気にしていませんでした。しかしついにその日が私にも訪づれてしまいました。最近このサイトのサーバーを引越ししたところ、何と新しいサーバーのDBは、MariaDBだったのです。

MySQLが終了していく状況下で「さて次は?」その実行可能な代替手段として注目されているのがこのMariaDBです

この時気づきました。デザイナーと言えどもデータベースアプリケーションの世界的な流れを知らずには、仕事は出来ない事を。そして書いたのがこの記事です。MariaDBが世に出るまでボランティアして下さっている多くの開発者のみなさま、MariaDB FoundationやFOSDEMに寄付をして下さっている多くの方々に感謝の気持ちをこめて!

参考:https://mariadb.org/https://fosdem.org/2021/
https://mariadb.com/https://mariadb.com/kb/ja/

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