更新 2024/11/07
上のアイキャッチ画像を見て下さい。スパイウエア「ペガサス」がスマホやPCに入ってしまったら、被害者はまったく気づかず、スパイした側のPCはこんな表示になります。左がスマホ使用中の被害者の顔で、右が被害者スマホに入ってるアプリアイコンの一覧です。実際のスパイ側PCの画面です。スパイ側がこの画面で右のアプリを一つ選ぶと、そのアプリが開き、まるで自分のスマホのように、中味のデータが閲覧されてしまいます。詳しくは下の動画をご覧下さい。恐ろ〜
追跡“ペガサス” スマホに潜むスパイ BS世界のドキュメンタリー
この動画は2021年夏、各国メディアが一斉に告発したスマホに潜むスパイ「ペガサス」前編後編を1本にまとめた、BS世界のドキュメンタリーの放映1時間半の動画版です。
「ペガサス」とはイスラエルのNSOグループ会社が開発した、テロや犯罪を阻止する名目のスパイウエアで、販売先は各国諜報機関等で、侵入されたスマホ側から連絡先や通話、画像、SNS、暗号化されたメッセージ、位置情報、メールなど全てが閲覧・監視されます。被害者は大統領や政府高官、王族、反政府活動の著名なジャーナリストなど、強権的な国のスパイとしてターゲットの全活動の行動や情報を得るために使用されており、裏でまったく知られず動くため発見や消去は極めて困難。
この動画は流出した番号リストをもとに記者たちが被害者を特定し、その実態を世界中に公開するまでを追ったドキュメンタリーです。原題:EXPOSING PEGASUS(仏/米 2023)
【追記】
上の動画が削除されちゃったので、いくつか参考になる動画リンク入れておきます。英語ですが。。
Pegasus: the spyware technology that threatens democracy
Invisible surveillance: How spyware is secretly hacking smartphones
追跡“ペガサス” スマホに潜むスパイ 前編:標的にされた人々
モバイル端末、スマホやiPad、PCなどのあらゆる情報へのアクセスを可能にするスパイウェアが「ペガサス」です。この動画の中で、誰が、どんな人物を監視しているのか?国際ジャーナリスト集団が明らかにしています。
追跡“ペガサス” スマホに潜むスパイ 後編:調査報道の結末
スパイウェア「ペガサス」が特定の国の人権擁護活動家などの他、仏マクロン大統領の端末からも検出された、「ペガサス・スキャンダル」は、2021年夏に世界で一斉に報道され、その時大騒ぎになりました。あれから3年近く経過しても
「ペガサス」に感染した端末の持ち主、被害者たちが、政府に不都合とみなされるジャーナリストや人権擁護活動家だったと判明し、当事者たちは動揺を隠せない。一方、開発者のNSOグループはそれでも「不正な利用を把握していない」と主張し続けていたが…。2021年夏、各国メディアが「ペガサス」の実態を暴く記事を、一斉に発表すると、世界に激震が走った。
その後の「ペガサス」ガザ地区戦争でまだ生き続けています
アムネスティ・インターナショナルやシチズン・ラボなどの2021年の文書によれば、ルワンダやトーゴ、スペイン、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、メキシコ、モロッコ、インドなどで政府に批判的な人物を標的にペガサスが利用されたケースが60件余りあった由。
NSO以外にも、イスラエルのもう一つのスパイウエア企業カンデル(Candiru)は、残忍な独裁国家に高度なスパイウェアを供給し、それを使って批判者、市民社会活動家、ジャーナリストを標的とし、迫害してきたとして告発されました。
米商務省は2021年末には、NSOとカンディルをブラックリストに掲載。米企業から輸出契約を得ることを禁じ、世界中のジャーナリストや人権活動家、政府関係者を「悪意を持って標的にしている」と判断し、同社に対し制裁を加えた。
さらにもう一つのイスラエル企業のQuaDreamは「iOS 14」のゼロクリックエクスプロイトを利用した商用スパイウェアを開発し、ジャーナリスト、反体制派、非営利団体の職員に対して使用したと、トロント大学の研究所から告発された。これがきっかけでQuaDreamは、運営が難しくなったとみられ、同社は厳しい状況に直面し営業停止に追い込まれた。従業員は解雇される予定で、経営陣は知的財産の売却を試みている。近日中に閉鎖されることが明らかとの事。
そしてついに、「ペガサス(Pegasus)」をきっかけに、世界からスパイウエアの摘発を受けたイスラエルは、ガザ地区への戦争へと突入してしまったわけです。もちろんこの戦争でスパイウエアが暗躍している事は間違いなく、この戦争はイスラエルの最後のアガキとみられています。イスラエル政府がこの戦争で、NSOとカンディルなどのスパイウエア企業に、人質救出の協力を要請した報道もあり、
最近ではさらに、NSOグループとカンディルは、イスラエルの治安部隊が説明したニーズに応えられるよう、スパイウエアの性能を早急にアップグレードするよう要請され、両社はそうした政府の要請に対し、2社に加え複数のソフトウエア企業が協力し、大半のサービスをほぼ無料でイスラエル政府に提供しているとの事。
つまりNSOはまだペガサスを製造しているのです。カンディルは2023年10月26日、いかなる形でも必要に応じて戦争を手助けする用意があると説明しています。こうなるとまだ世界がコロナでシーンとしている頃から、イスラエルはこうなっていく「流れ」で動いていたようです。
しかしなんか、国を追われた紀元前から続くイスラエルの民の迫害と放浪の歴史を思うと哀れですね。
デジタル暴力:NSOグループはいかにして国家テロを可能にするか
最後に「digitalviolence.org」についてです。下の「digitalviolence.org」は、ペガサス(Pegasus)のグローバルな使用に関する多次元的な調査を行ったForensic Architecture(フォレンジック・アーキテクチャ)によるプロジェクト。このフォレンジック・アーキテクチャは、ロンドン大学ゴールドスミス校を拠点とする調査機関で、建築の手法と技術を用い、世界中の国家暴力や人権侵害の事例を調査している機関です。
このプロジェクトサイト「digitalviolence.org」では、NSOペガサスにより人権活動家が標的とされた事例を閲覧できます。他にも包括的なデータベースを探索したり、データセットの音響的なレンダリングを聞いたりできます。
しかひ何と言ってもこの世界地図、ペガサスが侵食し、情報を盗んだ国や地域の目視図です。この図ではアジアはシーンとしていますが、アジアには別のペガサスがいて、きっと覇権を握っている事でしょう。
もしかしてスマホより、NTTドコモのあの懐かしのガラケーを復活させた方が利口なのかと真剣に思うこの頃です。