更新 2021/06/24
WordPressプラグインの中に、Welcartというショッピングカートプラグインがあります。
このプラグインを実際にサイトに実装して検証してみました。
Welcart ワードプレスプラグインのカートを実装検証してみた
● 担当した制作: 一人で全て行いました。具体的には下記の作業全てです。
● 制作費: 基本は無料。有料オプションは下記のとおり。(人件費別)
Welcartの魅力とは何か?
● プラグインだけで複雑なショッピングカートが、同じドメイン内に実装できる。
レンタル方式プラグインの場合、別ドメインにリンクを飛ばす方式ですが、
Welcartはワードプレスのプラグインなので、本ドメインと同一ドメイン内に実装できます。
● Welcartは基本無料ですが、数々の有料オプションもあり、例えばその中に、
モバイル対応のカートプラグインがあり、6000円という安価です。
しかし何と言っても一番魅力的なのは、定期購入プラグイン Auto Delivery
の存在です。これは16000円の有料オプションなのですが、買取設置方式で、
このお値段という事は、比類ないコスパのよさ!
ちなみに、定期購入とは何かというと、指定した間隔、回数、商品、個数などで、
サプリメントとか、コスメとか、食料品とか、お気に入りの商品を定期的に購入したい
時、前もっておよりよせ予約をすることで、お買い得価格で買えるというシステムです。
本当に使うとわかっているなら、ユーザー側にとっても、お得な仕組みというわけです。
こちらがWelcartのデモサイト
→ https://www.welcart.com/demo/wordpress/
実装してみてわかったWelcartの問題点
この実装を行った時点の話です。
何でもそうですが、知ってるとやってみたでは大違い。Welcartの大きな魅力の
裏にはこんな問題点がありました。
サーバーのSSLが問題になる。
カートにはユーザーの個人情報を入力したり保存したりしますので、
個人情報を保護するSSLを対応する必要があります。もしWelcartを設置する
サーバーが共用SSLだった場合、独自SSLにするとかの対応が必要になります。
ただ共用SSLは普及し、最近独自SSLは一時と違いかなり安くなっているようです。
SSL取得料金比較: https://serverkurabe.com/ssl-matome/
契約しているサーバーのプランが、独自SSLに対応しているかどうか
事前に調べておき、サイト全体を最初から独自SSLに設定できれば、何も問題はありません。
オプションでも対応していないと、Welcartは使えないことになってしまうからです。
SSL暗号通信対応のサイトでは、ブラウザには鍵マークが表示され、http://がhttps://に変わります。
参考解説: https://www.e-survey.go.jp/top1/guide/safety.html
ただし、鍵マークが表示されない場合もあります。
- フレームサイトのページ構成で、一部のフレームで非SSLページを引き出している時
- 画像やスタイルシートなどの一部コンテンツを、非SSLで引き出している時
- 非SSLのリンク設定をしている時、例えば絶対パスでリンクをしている時。
SSL使用のサイトでは、絶対パスではなく相対パスで表記統一する。
ただし各サーバーにはこれについていろいろな対応方法が明記されています。
例えばバーチャルURLを使うとか、OpenSSLというモジュールを実装するとか
独自SSL手前の段階で、対策はいろいろあるようです。
ただしバーチャルURLは、全てのCGIやPHPなど、
Webサイト上に組み込まれていた動作を保障するものではないそうですから、
自前サーバーを契約する時は、SSLについて事前に確認する必要があります。
定期購入オプションがPaypalエクスプレスチェックアウトに非対応
この場合の対応とは、自動で決済システムと連動しているという意味です。
定期購入オプションの方は、Paypalエクスプレスチェックアウトに連動してない。
これかなりミソの部分。サポートに連絡してやっとわかった事実です。つまり
ユーザーが通常注文する時は、Paypalのカード決済でスイスイ注文できるけど、
一部商品で定期購入を選んだ途端、Paypalで決済できなくなるのです。
「えっ~?」って感じですよね。ですので定期購入オプションを使う場合は、
Paypalエクスプレスチェックアウトは使えないことになります。
では定期購入とも連動しているクレジットカード決済方法は、あることはあって、
それはゼウスです。運営側がゼウス決済と契約が必要です。
ロイヤリティもかなり高い事を考えると、定期購入でPalpalが使えない点は、
後で知ると、かなりがっかりすることになります。
カート内の日本語テキスト文をカスタマイズするには?
注文画面の日本語を好きなように変えたい時はどうやるのか?
CMSでプラグインの日本語を編集した時、どうやるのかという今回すばらしい
事を学びましたので、記載しておきます。
これはWelcartの注文画面で、日本語表記がわかりにくく、UIアップのために、
日本語表記を自由自在に変える方法です。
カスタマイズ元ファイルのパス
usc-e-shop>languagues>usces-ja.po
usces-ja.poの編集には、専用のソフトが必要です。今回Poeditで編集したら、
とても使いやすかったし、編集後保存する時に、usces-ja.moが自動保存される
ので、セット差し替えができてとても便利でした。
上記の赤丸のところで日本語編集し、保存した後に、usces-ja.poと、usces-ja.moとを
一緒にアップロードするだけで、その後注文画面の表記が指定したものに変わります。
大きな問題点はこの3つですが、
それ以外にもカスタマイズが必要な問題が次々起こります。
まとめるとこのようになります。
解決方法 → デベロッパーツールのチェックで、Head Cleanerというhead記述を
整理するプラグインが影響しているとわかり、これを一旦無効化にして、
数量のtable id #cart_table、セレクタ input
をデベロッパーツールでゲットしてから、
usc-e-shop>css>usces_default.css に、
#cart_table input[type="text"] { width:90%; }
数量に幅を指定するCSSを記述すると、横幅がちょうどよくなり解決しました。
2.注文画面で、「買い物を続ける」ボタンは押せるが、リンクが活きていない。
これはカートに入れるボタンの隣にあり、カートに入れるボタンは自動生成
されるので、これも自動生成されているのかと思いきや、早い話が、
★このリンク先は、自分でページを新規作成して、そのURLに飛ぶよう
function.phpをカスタマイズするために、何も割り当てられていないのです。
つまり商品一覧の固定ページなどを新規に作成して、そこにリンクさせれば
いいことになります。
→ https://www.welcart.com/community/archives/759
カスタマイズ先
usc-e-shop>functions>function.php
一番上の<?phpの下に、下記のコードを入れるだけです。
add_filter('usces_filter_cart_prebutton', 'my_cart_prebutton'); function my_cart_prebutton(){ return ' onclick="location.href=\'https://..........jp/archives/8144\'"'; }
ただしreturnの後のurlに作成した指定URLを入れる必要があります。
それ以外にも、
3. WelcartとGoogle Analytics Dashboard for WPを同時有効化すると、
Welcartのご注文画面に、Google Analytics Reportリポートのリンク行が
表示されてしまう。
管理者画面だけに表示されるのかもしれないので、確認が必要ですが、
これを消そうと思うと複雑なので、Google Analytics Dashboard for WPが
ログアウト時にも表示されるようであれば無効にすれば消えます。
● 配送設定や基本設定を商品アップロードの前に、記述しておかないと、
お届け希望時間帯などがカートで活きないなどのエラーが出る。
まとめるとWelcartの実装には、かなりハードルが高い面がありますが、
その際に使ってみたサポートについてわかったことをくちこみします。
★ あまりにも対照的なサポートのクオリティ
● Welcartのサポートはまったくあてになりません。もちろん無償提供の
通常版なら当たり前ですが、有料の定期購入オプションについても、
あまり対応は変わらないと思われます。
「ドキュメントのURLは先日送ったとおりで、それを見て不明な点は、
半年80000円の有料サポートでお受けします。それもコードの提供は、
サポート外になります。100%稼動を保証するものではありません。」
あとは自分でフォーラムで質問したり、ぐぐったりしてやってください。
という意味なんです。
すごいですね。ここまではっきり言われると。。
そういうわけで、Welcartはかなりハードルの高い作業となります。
そういうわけで社内やチームにプログラマーがいる場合にはやってみてもいいかもしれません。
なぜならそれが完成すれば、同一ドメイン内でカートが動かせて、しかも、
ロイヤリティの低いPaypalでも臨時収入が得られ、たった16000円で、
定期購入さえ動かせるという、まったく夢のようなプラグインのお話でした。